クラウドファンディングと所得税

1.はじめに
近年、経済ニュースを中心に「クラウドファンディング」が注目を集めています。これは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織が行うプロジェクトに小口の資金の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語であり、ソーシャルファンディングとも呼ばれます。
既存の金融機関等ではカバーできない資金供給スキームとして関心を集めており、その形態により購入型・寄附型・投資型に分かれ、さらに投資型は融資型・ファンド型・株式型に区分されます。
2.購入型
購入型のクラウドファンディングは、資金調達したい企業や団体などが商品やサービスを対価として資金を調達する形態です。そのため購入型は、出資とはいえ実質的には通常の商品売買や役務の提供であり、税法上も商品売買等として取り扱うこととなります。
資金提供者が事業として商品の購入又は役務の提供を受けた場合には、所得税法上も仕入れや販管費を構成することとなり、消費税の課税仕入れに該当することとなります。
ただし、出資した金額よりも明らかに低額の商品又はサービスが対価となるものもあり、実質的には寄附とされるケースも考えられます。
3.寄附型
寄附型は文字どおり寄附であるため、リターンは発生せず、あくまで支援を行う形態です。この寄附金は所得税法上の特定寄附金の対象外とされているため、寄附金控除の適用を受けることはできません。
4.融資型
本来、融資型とは「ピア・ツー・ピアレンディング」としてネットを通じてお金を貸したい人とお金を借りたい人を結びつける融資手法ですが、日本における融資型は匿名組合方式のファンドに投資者が出資して、そのファンドが事業者に貸し出す等の仕組みをとっています。
よって、資金提供者における所得税法上の取扱いは後述するファンド型と同様となります。
5.ファンド型
ファンド型では、資金提供者(匿名組合員)と資金調達者(営業者)の二者間で匿名組合契約を締結します。営業者はその資金を元に匿名組合契約に基づく事業を行い、匿名組合員に対して利益の分配をする義務を負うこととなります(商法535)。この匿名組合契約に基づいて行った営業そのものは匿名組合員には直接帰属せず、いったんは営業者に帰属し、匿名組合員は分配された利益について課税されます。この分配金は原則として雑所得として総合課税の対象となり、分配時に源泉徴収(20.42%)されます(所法210・211、所基通36・37共−21)。
6.株式型
株式型は、非上場の株式に対して投資をする形態です。税務上の取扱いも単に有価証券の取得となります。
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