平成28年分年末調整の改正点−国外居住親族に係る扶養控除等の書類提出等の義務化

●外国人社員の両親が外国で居住している場合の扶養親族の判定

控除対象扶養親族とは、一般的には所得者と生計を一にする親族で、その年分の合計所得金額が38万円以下である者のうち年齢が16歳以上のものをいいます。

この場合、その親族が所得者と「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に居住している必要はありません。勤務、修学、療養等のため別居している場合であっても、その勤務、修学、療養等の余暇に同居を常例としているときや、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われているときには、生計を一にするものとして取り扱われています(所基通2-47)。

また、合計所得金額が38万円以下であるかどうかですが、外国人社員の両親は我が国の非居住者に該当しますから、仮に居住地国でアルバイト収入等があったとしても国外源泉所得となり合計所得金額には含まれません。したがって、我が国での所得はないことになります。ただし、両親のアルバイト収入や不動産所得などが極めて多額であるような場合には、そもそもその送金が両親の生活費に充てるものとはいえず、生計を一にしているとは認められないということもあります。

本年分以後は、非居住者である親族(国外居住親族)について扶養控除等を受けるためには、「親族関係書類(※1)」及び「送金関係書類(※2)」を添付又は提示しなければなりません。したがって、控除対象扶養親族等の要件を満たしていても、これらの書類により親族関係や送金の事実等が確認できない限り、外国人社員が両親を扶養控除の対象として控除することはできません。

※1……次の@又はAのいずれかの書類(外国語の書類の場合はその翻訳文も必要です。)で、その国外居住親族がその居住者の親族であることを証するものをいいます。
@戸籍の附票の写しその他日本国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券の写し(これらは主に国外居住親族が海外留学中の者など日本国籍を有する者である場合に添付等する書類です。)
A外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(その国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります。)(主に国外居住親族が日本国籍を有しない者である場合に添付等する書類で、生年月日及び住所又は居所の記載のある、例えば出生証明書等が考えられます。)

※2……その年における次の@又はAの書類(外国語の書類の場合はその翻訳文も必要です。)で、その国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を行ったことを明らかにするものをいいます。
@金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその居住者からその国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類(送金依頼書等)
Aクレジットカード等購入あっせん業者の書類又はその写しで、クレジットカード等を提示し又は通知して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者から有償で役務の提供を受けたことにより支払うこととなるその商品若しくは権利の代金又はその役務の対価に相当する額の金銭を居住者から受領し、又は受領することとなることを明らかにするもの(クレジットカードの利用明細書等)

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